【日野市】猫たちに幸せなご縁と生涯を。「保護ねこ広場 にゃん福゜」を訪ねて
日野市内にある保護猫シェルター「保護ねこ広場 にゃん福゜(にゃんぷく)」をご存じですか?
ここは、様々な理由で飼うことができなくなったり、捨てられたりした猫たちが、心身を癒しながら“本当の家族”と出会うための、温かい【仮のおうち】です。
以前は猫カフェとして三沢で営業をしていたにゃん福゜ですが、現在は保護猫のシェルターとして、多頭崩壊や脱走、迷子、捨て猫など地域から寄せられる様々な猫のレスキュー、そして猫たちのケア、譲渡活動に専念されています。
お話をお伺いしたのは、2014年から保護ねこの活動を行う、「保護ねこ広場 にゃん福゜」の代表の八木さん。
地域の方に現状を知っていただき、「もし保護猫を家族にとお考えの方がいたら、ぜひ問い合わせをしてほしい」と、活動の内容をお話ししてくださいました。
「保護ねこ広場 にゃん福゜」の所在地は非公開となっていますが、猫の里親としてお見合い希望の方には、個別で案内をしています。(※お見合いは予約制。公式HPの問い合わせフォームより)
譲渡費用は一律35,000円です。
にゃん福゜は、猫たちの特性に合わせて暮らしのスタイルがつくられています。
最初に案内されたお部屋は、高齢の猫や、人に懐いていない、いわゆる譲渡が難しい猫たちのいる部屋。この部屋には、取材時点(2025年4月中旬)で18匹の猫たちが暮らしていました。
人と暮らしたことがない猫や、人間から虐待を受けた経験からか人に触られるのが苦手な猫などが自分たちのペースで過ごしています。どの猫も「さくらねこ」と呼ばれる、不妊手術をした証として、桜の花びらのような耳をしています。
この部屋の猫たちは、人に寄ってはきませんが、特に警戒心を見せるわけでもなく、こちらの様子を伺いつつも、リラックスしている姿がみられました。
「この部屋の猫たちは、私たちが最後を看取るつもりでお世話をしています」と八木さん。
適温に保たれた室内は、毎日掃除され、清潔な環境が維持されています。陽射しが穏やかに差し込む部屋で、気持ちよさそうにくつろいでいます。
「猫たちは基本的にしつけをしなくても、自分たちのトイレの場所やご飯の場所を認識するので、初めて猫を迎える方も気負わずにお世話できるのではないかと思います」との言葉も。
18匹もいるとは思えないような整理された空間です。
続いて隣の部屋へと案内されると、すぐに1匹の猫がすり寄ってきました。こちらにも18匹の猫が暮らしています。
こちらの部屋は、人に慣れている猫たちの部屋で、主にお見合い(里親希望の方が猫に会いにくる)が行われているそうです。
八木さんとともに、保護猫活動を行っているかんこうじさんがチュールを持ってやってくると、僕も私もと集まってきます。確かに先程の部屋の猫たちとは人との距離感が全く違います。
ここにいる猫たちの正確な年齢はわからないそうですが、いわゆる”子猫”とされるような小さな猫はいませんでした。
その理由をお聞きすると、「子猫は貰い手も多いのですが、衰弱していたり、人間の赤ちゃんと同じで付ききりでお世話をする必要があります。そういった子は、『ミルクボランティア』さんにお願いをしていて、小さいうちから人間との暮らしに慣れてもらうようにしています」とのこと。
こちらのシェルターだけではなく、個人宅で人との暮らしに慣らしていくための”あずかりさん”と呼ばれるボランティアなど、様々な形で支援をしてくれる人々のおかげで保護猫の活動が続いています。
耳のがんで片耳を切除した猫や、事故で足がない子、かじられて尻尾がない子などもいましたが、今は元気に食事を取れるまで回復したのだと、嬉しそうにお話してくれました。
保護した猫には一匹一匹、すべて名前をつけます。
そして、その子がどういった経緯でここにくることになったのか、その時はどんな状態だったのかなど、数多の猫がいる中で一匹一匹の来し方をかなり事細かに覚えていらっしゃいました。その後の成長や回復、里子にでた子の近況などをとても楽しそうに話す二人の姿に、深い愛情を覚えました。
「他のボランティアの方にも支えられて、保護猫シェルターは活動を続けられています。猫のお世話は毎日のことなので、気づけば、ここをスタートしてから泊りがけの旅行に行っていませんね」と、お二人の暮らしが保護猫活動を中心に回っていることがわかるエピソードも。
「こういった活動をしていると、猫を虐待する人がいるという悲しく、憤りを感じる事件を耳にすることもあります。一方、とても大切に愛情を注がれていたにもかかわらず、飼い主さんの事情で離れ離れにならざるを得なかった子もいます。
ここに集まった猫たちはすでに何かしらの事情を抱えている。だからこそ、この子たちのこれからに幸せなご縁を紡いであげたい。それができないなら、私たちが穏やかな暮らしを最期まで看取りたいんです」
このシェルターの運営費について伺うと、スタート時から自己資金と寄付、そして譲渡費用(一律35,000円)で運営を行っているそう。
市の助成金を3年間もらっていたそうですが、2025年の3月末で終了となり、活動継続が金銭的にも厳しい状況にあるといいます。
「皆さまのご支援で支えられています」と、ご寄付いただく方への感謝の言葉を口にしていました。
にゃん福°では高齢猫や事故等で治療が継続的に必要で譲渡が難しい猫たちが多数います。この子たちの医療費やシェルターの維持のためのご寄付をお願いします。
PayPayID: nyan2929
銀行からゆうちょ銀行へのお振込
店名:〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番:008
(普通):0 5 8 6 8 6 0 pic.twitter.com/elrUMyB1VI— にゃん福° (@nyanpuku2829) March 26, 2025
「何かサポートできたら」というお気持ちがある方は、アマゾンのほしいものリストや支援物資について書かれたブログ等をぜひご覧ください。
また、毎月11日には、イオンモール多摩平の森で行われている「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」ににゃん福゜のBOXがあるのをご存知でしょうか。レシート合計の1%分の品物をイオンが各団体に寄贈してくれるという取り組みです。
にゃん福゜では、地域猫や野良猫の不妊手術を行うTNR活動の相談も受け付けているそうです。
また、「うちの猫が逃げちゃった…!」という時に、どういった行動を採ればよいのか、など、公式ブログでは、猫に関する様々な情報を発信しています。猫を飼っている方だけでなく、保護猫の活動に興味関心がある方もぜひブログを見てみてください。