【日野市】絵本の世界に、大人も子どもも引き込まれる。南平の絵本屋「南と華堂」がリニューアルオープン
京王線南平駅北口から徒歩5分、住宅街の一角にひっそりと佇む絵本屋「南と華堂(なんとかどう)」が、2025年4月2日(水)にリニューアルオープンしました!
「南と華堂(なんとかどう)」は子育てと読み聞かせボランティア経験を持つ店主が心を込めて選書しているえほんのお店。

(画像は提供いただきました)
以前のブロック塀だった外観はガラリと変わり、別のお店かと前を通り過ぎてしまいそうなほどの変わりぶり!

(画像は提供いただきました)
近所の方や子育て中の家族がもっと気軽に足を運べるようにと、絵本の中に入り込むような、明るく開放的なテラス空間へと生まれ変わっています。この素敵な外装デザインを手掛けたのは、立川にアトリエを構える舞台装飾・外装の「kitori」さん。
大きな窓から明るく光が差し込むようになった店内もリニューアル。子どもも大人も惹き込まれる、絵本のあたたかな世界が広がっています。
以前は古本も取り扱っていましたが、今は新刊の絵本がメインに。
お菓子も並び、イベント時はコーヒーを飲みながらくつろげるようなスペースも誕生していました。
本を選ぶだけではなく、ゆっくり過ごすことでより絵本に親しんでもらいたいという思いが伝わり、つい長居したくなるような雰囲気です。
「自分が読んで心に響いたものや、子どもに読んであげたいと思えるものを選んでいます」と店主の井上さん。6歳以下の子どもたちに良い本を届けたいというのが「南と華堂(なんとかどう)」のポリシーです。
昨今は子供だけでなく、大人も絵本を手に取るようになっていると話す井上さん。
「例えば」と、本棚から選んで説明してくれたのは、ねっこぼっこ。「ずっと読みつがれている絵本ですが、今となっては大人の方が心に刺さるようで、たくさんの大人が買っていかれます。土の中で妖精たちが春の準備をしているような話です」絵本の説明もとても上手です。
ビジュアルの色味や絵のタッチなど、ストーリーと絵で心をつかまれるような厳選された絵本たちが、棚に丁寧に並んでいます。
来店者は子ども連れの方だけでなく、大人のお客様も多く、「ねっこぼっこ」のように長年愛され続けている作品を、自分用に購入される方も。絵本が子どもだけのものではなくなり、大人の心にも寄り添う存在として再注目されています。
「絵本の人気が増え、これまで絵本を出版していなかったところも絵本を出すようになっています。種類が増え、心に残る一冊に出会うことが、より難しくなってきています。だからこそ、その人に合う1冊を選ぶための“道標”になれたら」と語る井上さんは、まるで絵本のコンシェルジュのようです。
「これが好きなら、こっちもきっと響く」と、一人ひとりに寄り添うように絵本をすすめてくれます。
取材の日には、南平在住の絵本作家の苅田澄子さんがいらっしゃいました。絵本作家が近くに住んでいることは知らなかったそうですが、「南と華堂(なんとかどう)」が南平にできたことで、縁が生まれました。
「だいぶつさまかぜをひく」という人気の大仏シリーズ絵本は、お寺の住職がイラストを描きます。表紙の裏には、住職ならではの仏様の豆知識が描かれていました。
DM用に、新しくなった外観を描いたもんでんゆうこさんも南平在住の線描画家です。
リニューアルを機に、一部スペースはギャラリーとしても活用することに。この日は、刺繍で絵本を作る鯉江かおるさんの作品が展示されていました。
静かな住宅街にある、心がホッとする小さな絵本屋。日野市で子育てをしている方、絵本が好きな方はもちろん、「最近ちょっと疲れてるかも」という大人の方にも、ぜひ訪れてほしい場所です。
南と華堂(なんとかどう)はこちら↓